質問
インフルエンザの予防接種を、まだ受けていません。インフルエンザで死ぬことがあると、聞きました。今からでも、受けたほうがいいのでしょうか。風邪とインフルエンザは違うのですか。(72歳男性)
風邪とインフルエンザ
普通の風邪のウイルスと、インフルエンザウイルスは違います。普通の風邪では、のどの痛み、鼻水、咳が出るといった症状が中心です。インフルエンザにかかると、普通の風邪の症状に加え、高熱がでて、頭痛、関節痛、筋肉痛を伴います。肺炎や脳炎などを合併し、重症化することもあり、高齢者が罹患した場合には、死に至ることもあります。
インフルエンザワクチン
流行するインフルエンザウイルスには、A型とB型があり、毎年変化します。ワクチンは病原性をなくした不活化ワクチンで、毎年流行を予測し、作られます。この予測は、最近の十年間は、ほぼ当たっており有効なワクチンが作られています。インフルエンザの予防には、インフルエンザワクチンの予防接種が、最も有効な方法です。特に、六十五歳以上の高齢者の方々につきましては、インフルエンザワクチンの予防接種により、発病が減り、死亡率も低下することが、明らかとなっています。接種は一回でも十分効果があり、御質問の方には、今からでも受けられることを、お勧めいたします。
うつらないためには
インフルエンザは、インフルエンザにかかった人の咳などで、空気中に飛散したウイルスを、吸い込むことによって感染します。人に感染したウイルスは、鼻やのどの粘膜の細胞の中で増殖します。抵抗力の弱まったシルバーエイジの方は、特に感染しやすく、インフルエンザのシーズンには、十分な休養と栄養をとり、人混みを避けるように、心がけて下さい。乾燥していると感染しやすいので、室内の湿度を保つことが大切です。また、マスクの着用や、うがいも効果があります。
早めの受診を
風邪薬は、インフルエンザウイルスには効果がありません。昨冬より、A型とB型の両方のインフルエンザウイルスに効く治療薬が、新しく健康保険の適応となり、使用されるようになりました。吸入するタイプのお薬と内服するタイプのお薬があります。いずれも、インフルエンザに感染して、早期のうちに投与することにより、ウイルスの増殖を抑える事ができます。普通の風邪かインフルエンザかの判断は、一般の方には難しく、インフルエンザのシーズンには、風邪かなと思われれば、軽く考えずに、お早めに内科を受診してください。
質問
昔、血圧は自分の年齢に90を足した数値が常識と教えられたのですが、血圧の数値はどのように判断すれ ばよいのですか。 (74歳 女性)
血圧とは
血圧には上と下があり、上の血圧を最大血圧、下の血圧を最小血圧といいます。御質問の女性は最大血圧のことをおっしゃっていると思われます。
最大血圧は心臓が収縮して、血液を全身に送り出すときの血管の壁を押す力を表します。クリニックで血圧を測っていますと、どうして血圧をがわかるのかとの、ご質問を受けることがあります。腕に巻いたマンシェットに空気を加えて圧力をかけて、聴診器を当てて徐々に圧力をゆるめていった時に、音の聞こえ始めろところを最大血圧、さらに圧力をゆるめて、音の聞こえなくなるところを、最小血圧としています。
正常値は
WHO(世界保健機関)では、最大血圧が160以上を高血圧とし、140〜160までの間を、境界高血圧としています。高血圧は遺伝的体質と生活習慣が原因となります。コレステロールや中性脂肪の蓄積により、血管が狭くなり動脈硬化が生じることと、発汗による塩分調節ができなくなることが重なり、歳をとるとともに、最大血圧が上昇しますので、御質問のような考え方も理にかなっていると思われます。
血圧測定を
お勤め先での定期健康診断を受けられる機会のある方は、血圧測定をしておられるのですが、自営業や主婦、定年退職後の方々は、血圧を医療機関で測る機会がない場合があります。そういう方々のために、各市町村では、老人保険法に基づく基本健康診査を、取扱医療機関において、無料で受けられるようになっています。
大阪市基本健康診査のご案内
質問
私は十数年にわたり、花粉症に苦しめられています。毎年、梅の花の咲く2月下旬から、ゴールデンウィークの頃までの数ヶ月間悩まされます。今まで、薬もいろいろ飲みましたが、どれも効果がありません。どうしたらよいのでしょう。(47歳 男性)
何の花粉が原因
2月から4月にかけて、スギ花粉が、4月から5月にかけて、ヒノキ花粉が、飛散しますので、ご質問の方の花粉症 の原因は、スギ花粉とヒノキ花粉と、考えられます。
症状は
初期には、鼻がむずむずし、ひどくなると鼻水、鼻づまりとなり、咽喉がかゆくなり、くしゃみが出ることもあります。
また、皮膚のかゆみや、頭痛、イライラを感じる方もいらっしゃいます。
対策は
花粉を避ける事が、まず第1です。その為には、外出時には使い捨てのマスクをし、つばの広い帽子や、側面をカバ ーするメガネを着用することが有効です。また、窓を開けっ放しにせず、帰宅時には、玄関に入る前に、コートやバッグに付いていた花粉を払い落とす事と、うがいや洗顔を心がけてください。
早めにお薬を
花粉の飛散する前から、抗アレルギー薬を飲み始める事が、花粉シーズンを楽にすごすコツです。ご質問の方も、花粉前線の予報と、ご自身の例年の症状の出始める時期を参考にして、症状のでる1〜2週間前から、お薬を毎日欠かさずに、飲まれる事を、お勧めいたします。また、症状の強い時には、点鼻薬を併用されれば、効果があると思われます。近年、効き目がよく、副作用の少ないお薬が開発されていますが、抗アレルギー薬で眠くなる方には、漢方薬をお勧めいたしております。
漢方薬でみんな元気!
主婦の友生活シリーズ漢方でみんな元気!(平成14年3月1日発行)の、漢方薬を処方してくれる全国の病院・医師ガイドの86ページに、ながの内科クリニックが掲載されています。保険診療による漢方薬治療をいたしておりますので、お気軽に御来院ください。
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